2007年10月22日月曜日

極度の臆病猫

おやじ猫は、家猫である。

ずーっと家の中だけで育てた。
マンション住まいだったので、
ドアを開け放しておくわけにもいかず
500gの子猫の時代から家の中が猫の全世界だった。

ある日、帰宅するとおやじ猫の姿が見えない。
いつもドアまで出迎えるのに。
ベッドで寝ているのか?

あちこち名前を呼びながら
血眼になって探し回るが
どこにもいない。

ふと、遠くから泣き声が聞こえる。
押入れか?お風呂場か?
あちこちをのぞくが見つからない。

声の方角に耳を傾けると
なぜだかドアの外から聞こえる。

驚いてドアを開けて
外廊下に出てみると
となりの部屋のエアコンの室外機の後ろに隠れたまま
大きな声で泣いていた。

私の外出時間が1時間半。
その間、ずーっとここで隠れていたのか。

そとを知らずに大きくなった猫は
どこにも行かれず
隣との区別もつかないまま
じーっとうずくまっていた。

特にうちのおやじは子供の頃に捨てられたせいか
極度に臆病ものだ。

ちょっと「ガタッ」という音がしてもビクつく。
人が来るとどこかに隠れて2時間は出てこない。

いい年なんだから、ここまで臆病なのってどうよ?
と思うが、まったく直らない。

ふだんの不貞腐れた姿からは
到底想像もつかないビビリ具合だ。

まったく。
こんなおやじに誰がした。

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